山岳レース番組とNHKの貢献
- 2019.03.18 Monday
- 23:29
最近NHKで放送される紀行ドキュメンタリー番組で
山岳レースを取り上げた企画がかなり多い。
毎年のようにコンスタントに放送されている。
不定期でグレートレースシリーズが放送されているほか
1つのレースに密着した番組も放送される。
昨年は夏のTJAR2018に密着した番組が秋に放送された。
4月にはブルーレイがリリースされる予定だ。
日本アルプスを大縦走するレースに密着した番組だが
迫力ある選手の映像は選手と同等の走力を持つ
ランニングカメラマンによって撮影される。
最近NHKではこうしたランニングカメラマンが活躍する番組が増えている。
こうした番組が登場したのは10年ほど前のことだ。
僕が初めて見たのはUTMB2009に密着した番組だった。
モンブランを一周する山岳レースで
日本にトレイルランニングブームをもたらした番組として知られている。
この番組でトレイルランニングというものが広く知れ渡り
その後多くレースが行われるようになった。
同じ頃にはハイビジョンスペシャルで
パタゴニアで行われたアドベンチャーレースに密着した番組も放送されている。
この番組は録画して何度か見たけど
暴風が吹き荒れて自転車が飛ばされるような状況でも行われる超過酷なレース。
この日本チームとして出ていたのがチームイーストウインドで
昨今のNHKの番組のランニングカメラマンの多くを占めてるようだ。
そのランニングカメラマン誕生や育成などについては
2012年のTJARに密着した番組の書籍に書いてある。
ランニングカメラマンはこれまで撮れなかった映像を
撮影記録出来るようになって番組作りに新たな世界が広がった。
NHKは彼らを育成していこうと考えていて
それ故に定期的に番組を放送することで仕事を確保してるようだ。
今後はグレートレースが定期的に放送されるし
多分今年秋のUTMB2019は鏑木毅さんが50歳で挑戦すると言われており
NHKとしてそれに密着して番組にするんじゃないかと予想している。
そうした際にもランニングカメラマンは活躍するはず。
NHKはグレートサミッツやにっぽん百名山など登山の番組も放送するが
そうした番組で活躍する山岳カメラマンも昔から育成してきた。
定期的に山の番組やシリーズを放送することで
登山者の世界の映像を放送することができてきた。
ただ近年はカメラの小型化などが進んだことで
登山者自身や仲間がカメラクルーになるようになり
山岳カメラマンとしての仕事が減ってきていた。
そこでNHKが白羽の矢をたてたのがランニングカメラマンだったのだと思う。
軽量なカメラがあってこそ走りながら撮影出来るというもの。
もちろんドローンカメラマンなども育成してて
北アルプス ドローン大縦走 〜剱・立山〜 [Blu-ray]
ドローン大縦走などを放送しているのかと。
こうした番組をカメラマンとして撮影してる人は
トップクラスの登山家だったりする。
今の登山家は自分の活躍は自分で撮影することが多いから
それがきっかけでテレビ局の山岳カメラマンになることが多いと。
そういえば最初に紹介したTJAR2018の撮影では
ピオレドール賞を獲得した平出和也さんと中島健郎さんも
スタッフとして参加してたらしいから
同じくらいのスキルを持った人ではないと撮影出来ない世界なのだろうな。
NHKはいろいろ言われているが
先のことをしっかりと考えているなとは思う。
民放はそうした新たなカメラマンの育成などは考えてないだろうからね。
そうした考えが素晴らしい番組を誕生させているわけで
山岳レース番組好きとしてはいい時代になったものだと。